福山市北部で圧倒的な人気を誇るパン屋『Ｓｏｇｉｉ』のオーナー兼パン職人を務める細木博。兄二人が建築関係の仕事をしていたこともあり、高校卒業後は建築系の会社に就職する。仕事環境は良かったが、楽しさを見出せなかったため１年で退社。

元々、ものづくりと食べることが好きだった細木は、建築とは全く異なるパンの世界へ飛び込むことに。引野町の『ル・ロックル』の製造部門で働き始めると、すぐに「自分にはコレだ！」と確信する。

「生地をこねること、形を作ること、焼くこと…パン作りの全てが楽しかった。休日も粉を買って来て、自宅でパンを作っていました」。『ル・ロックル』で３年半基礎を学んだ後は、自分の店を持つことを見据えて、大阪のカリスマ店から少人数の小さな店、工場を持つ大規模店まで、さまざまな形のパン屋で働いた。

そして28歳の時、駅家に『Ｓｏｇｉｉ』一号店を開店。２年半後には、神辺に二号店を開店する。

細木が目指していることが２つある。

１つ目は、できる限り焼きたてのパンを食べてもらうこと。自分が初めて焼きたてを食べた時に味わった感動をたくさんの人に伝えたいのだという。

２つ目は、パンを作る楽しさを次の世代へ伝えていくこと。子供達にパンへの興味を持ってもらうため、長期休みには体験教室も開催している。

三号店、四号店の展望もあるという細木。「常に挑戦し、もがきながら自分も成長していきたい」と熱い思いを胸に今日もパンを焼く。

大通りから少し入った閑静な場所に立つ「Sogii 神辺店」。スタイリッシュな外観が目を引く